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ボツリヌス療法とは
ボツリヌス療法とは痙縮の治療法のひとつで、世界80カ国以上で認められています。
ボツリヌス菌が産生する天然蛋白質(A型ボツリヌストキシン)を有効成分とする注射剤には、局所的な神経筋伝達阻害作用があります。
筋肉に直接注射することで緊張が亢進した筋肉を弛緩させることができるため、痙縮の治療に応用されるようになりました。
ボツリヌス菌そのものを注射するわけではないため、ボツリヌス菌に感染する危険性はありません。
作用は通常注射後数日目から現れ、3~4カ月持続すると言われていますが、その発現や持続には個人差があります。
またこの治療法は対症療法であるため繰り返し行うことが必要です。
症状の経過をみながら徐々に治療範囲を拡げることも可能です。
当院では患者様や介護されるご家族と相談しながら、治療計画を立てていきます。
脳卒中(脳血管障害)や頭部外傷、脊髄損傷等の後遺症で上下肢の痙縮を伴うことがあります。
痙縮とは筋肉の緊張が亢進して、四肢の姿勢異常を来してしまう状態のことです。
上肢の姿勢異常としてよくみられるものには、肘関節や手関節の屈曲、にぎりこぶし状変形、掌中への母指屈曲などがあります。
下肢の姿勢異常としては、股関節や膝関節の屈曲、膝関節の過伸展、尖足・内反尖足などがみられます。
そのため日常生活に支障を来したり、リハビリテーションの障害となるため、痙縮に対する治療が必要となります。
治療のスケジュール
ボツリヌス療法の作用は?
・手足の筋肉がやわらかくなり、動かしやすくなります。
・関節が固まって動きにくくなるのを予防します。
・関節が変形するのを予防します。
・リハビリテーションが行いやすくなります。
・痛みを和らげる作用が期待できます。
・介護の負担が軽くなります。
ボツリヌス療法の副作用は?
治療後に次のような症状があらわれることがあります。
多くが一時的なものですが、症状があらわれた場合は相談してください。
・注射部位がはれる
・赤くなる
・痛みを感じる
・体がだるくなる
リハビリテーションは必要?
ボツリヌスが持続している間、リハビリテーションを継続する必要があります。
作用の持続とリハビリテーションの量は相関しており、リハビリテーションなくして機能回復は望めません。
また日頃から自主訓練がしっかりできている方ほど作用は長く持続しますので、治療時に自主訓練法についてもご指導いたします。
費用は?
保険適用があり、1~3割負担で治療を受けられますが、治療部位や範囲により費用が異なります。
また使用薬剤そのものが高価なため、障害者手帳(1・2級)取得されていない方は医療費が高額となります。
治療前にご相談ください。