テニス肘(上腕骨外側上顆炎)
肘の外側にある腱に繰り返し負荷がかかることで炎症や微細な損傷が起こり、痛みを引き起こす疾患です。
名前の通り、テニスなどのラケットスポーツで多く見られますが、スポーツをしない方でも、手首をよく使う作業(パソコン作業、家事、介護、重い物の持ち運びなど)によって発症することがあります。
症状
- 肘の外側(外側上顆)付近の痛み
- ペットボトルのふたを開ける、タオルを絞る、ドアノブを回す動作で痛みが増強
- 肘から前腕にかけてのだるさや違和感
- 重いものを持ち上げると痛みが走る
原因
- 手首や指を伸ばす筋肉(伸筋群)の使いすぎ
- マウス操作・キーボード入力・調理・介護動作などの繰り返し動作
- テニスやゴルフなどのスポーツ(ラケットやクラブの衝撃)
診断
- 問診・視診・触診
- トムセンテスト:肘を伸ばした状態で手首を上に反らし、その動きに抵抗を加えて痛みが出たら陽性
- チェアテスト:肘を伸ばしたまま手で椅子を持ち上げた時に痛みがあれば陽性
治療法
保存療法
- 炎症を抑える内服薬や外用薬
- 手首~前腕のストレッチ・リハビリテーション
- テニス肘用バンド(ストラップ)による負担軽減
- 温熱療法や電気治療などの物理療法
- スポーツや作業動作の改善指導
注射療法
- 痛みが強い場合、ステロイド注射やPRP療法(再生医療も選択肢になります)
手術療法(まれ)
- 保存療法で改善がみられない重症例では、腱の修復手術を検討することもあります