頚椎椎間板ヘルニア
頚椎椎間板ヘルニアとは、首の骨(頚椎)にある椎間板の一部が飛び出し、近くの神経を圧迫することで、首・肩・腕に痛みやしびれを生じる疾患です。
椎間板とは
椎間板は、背骨を構成する椎骨と椎骨の間にあるクッションのような組織で、衝撃を吸収し、脊椎の柔軟な動きを支えています。
加齢や姿勢不良、外傷などの影響で椎間板が変性し、中の髄核が外に飛び出して神経を圧迫すると、さまざまな症状を引き起こします。
症状
- 首や肩の痛み、こり
- 腕や手のしびれ・放散痛
- 力が入りにくい、手がうまく使えない
- 箸が持ちにくい、ボタンがかけにくい
- 進行例では、歩行障害や排尿障害を伴うことも
原因要素
- 加齢による椎間板の変性(40~60代に多い)
- 長時間のパソコン作業、スマートフォン操作
- 姿勢不良(猫背やストレートネック)
- 重い荷物を持ち上げた際の外力
検査・診断
- 神経学的診察(知覚・筋力・腱反射)
- MRI検査:神経根や脊髄の圧迫状況を詳しく評価
- X線検査:頚椎の変形や配列異常の確認
治療について
保存療法
- 消炎鎮痛薬、神経障害性疼痛治療薬
- 頚椎カラー(安静と保護)
- リハビリテーション(牽引療法・理学療法)
神経ブロック療法
- 痛みが強い場合に、神経周囲に局所麻酔薬などを注入
手術療法(保存療法で改善しない場合、手足の麻痺を伴う場合など)
- 椎間板摘出術(前方除圧固定術など)
- 最近では低侵襲な顕微鏡下手術や内視鏡手術も選択可能です