足関節捻挫
足をひねったり、段差でくじいたりした際に起こる、足首の靱帯損傷のことを指します。
運動中だけでなく、日常生活の中で最も多い外傷のひとつですが、軽く考えて適切な治療を受けない場合に「くせになる」リスクが高くなります。
主な原因とメカニズム
- 足首を内側にひねることで、外側の靱帯(前距腓靱帯・踵腓靱帯など)に過度な負荷がかかり損傷
- スポーツ(バスケットボール、サッカー、バレーボールなど)
- 段差や坂道での踏み外し、ヒールなど不安定な靴
捻挫の重症度分類(靱帯損傷の程度によって分類)
重症度 | 状態 | 症状 |
---|---|---|
1度 | 靱帯の軽い伸び | 軽度の腫れ・痛み・歩行可能 |
2度 | 靱帯の部分断裂 | 明らかな腫れ・皮下出血・歩行困難 |
3度 | 靱帯の完全断裂 | 強い痛み・腫脹・関節の不安定性 |
診断
- 視診・触診・ストレステストで損傷靱帯の評価
- X線検査で骨折の有無を除外(捻挫と見えて実は骨折のことも)
- 必要に応じて超音波検査やMRIで靱帯や腱の状態を精査
治療
保存療法(多くの捻挫に適応)
- RICE処置(安静・冷却・圧迫・挙上)
- 消炎鎮痛薬(内服・湿布)
- テーピングやサポーターでの固定
- 物理療法(超音波、電気刺激など)
- 回復段階での理学療法士によるリハビリ(関節可動域訓練、筋力強化、バランストレーニング)
手術療法(重度・再発例・スポーツ選手など)
- 靱帯再建術(完全断裂・関節不安定例に適応)
- 術後は段階的にリハビリを行い、競技復帰を目指します