痛風
痛風(つうふう)は、血液中の尿酸値が高い状態(高尿酸血症)が続き、関節内に尿酸結晶が沈着して炎症を引き起こす病気です。
発作時には関節が赤く腫れ上がり、激しい痛みを伴うのが特徴です。
痛風は、高血圧や肥満などの生活習慣病や腎疾患とも深く関わる全身疾患です。
適切な治療や生活管理が重要です。
原因と病態
痛風は、体内で作られた「尿酸」が過剰になることで発症します。
尿酸はプリン体(細胞の代謝産物)が分解されてできる物質で、以下の要因で増加します。
- プリン体を多く含む食事(レバー、魚卵、ビールなど)
- アルコールの過剰摂取
- 肥満やメタボリック症候群
- 運動不足・脱水
- 遺伝的素因や腎機能の低下
主な症状
- 突然の激しい関節痛(特に足の親指のつけ根に多い)
- 関節の腫れ、熱感、発赤
- 発熱や全身倦怠感を伴うことも
- 発作は数日~1週間ほどで自然におさまることもありますが、再発を繰り返すことが多く、慢性化すると関節の変形や腎障害に進行する恐れもあります。
診断
以下をもとに総合的に診断します。
- 臨床症状(足関節・母趾・膝・手関節などの痛み)
- 血液検査(尿酸値、炎症反応)
- 関節穿刺(関節液中に尿酸結晶が確認される場合も)
- X線検査や超音波検査(結晶沈着の有無や関節構造の評価)
治療
発作時の急性炎症の抑制と、尿酸値の長期管理(再発予防)が治療の2本柱です。
急性発作の治療
- NSAIDs(消炎鎮痛薬)、コルヒチン、ステロイドなどを使用し、炎症と痛みを抑えます。
再発予防と根本治療
- 尿酸降下薬(アロプリノール、フェブキソスタットなど)
- 生活習慣の改善(減量、節酒、水分摂取、バランスの良い食事)
治療開始直後は一時的に痛風発作が誘発されることがあります。
痛風発作が起こらないからといって自己判断で治療を中断することは控えなければなりません。
再発を予防するために適切な治療の継続と健康的な生活習慣を心がけましょう。